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日ごろ、思うことなどつれづれに。 バックナンバーはこちらです。
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keishiくんちのお父さん |
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椎間板ヘルニアで足に麻痺が出て、運動療法として始めた水泳と朝の散歩。
麻痺が出てちゃんと歩けなかった頃は週に最低3日は泳いでいたけれど、
この数年はプールに通う時間がもったいなくて、ウォーキングに頼っています。
「散歩でワン!」のkeishiくんは歩き始めてまもなく散歩コースで出会いました。
それからkeishiくんち方面へ散歩に行く時には必ず寄って、ちょっと遊んで写真撮って戻ってきます。 keishiくんちは人の出入りが多くて、ダイバーだというお嬢さんと話をしたり、お母さんや御長女さんともとお話したり、 お父さんの会社の方とも話したりもするようになりました。 でも、お父さんは眼光鋭くて何だか気むずかしそう。 「おはようございます」と挨拶すると、ゆっくり頭を縦に振って返してくださるだけでした。 お父さんは毎朝早起きで、広い畑にいたり、軒下のテーブルで一服したりしていました。 最初に話したのはいつだったのか、どんな風だったのか覚えていないけれど、 やがて、そんなお父さんとも時々話すようになりました。 大抵は「よかったら、茄子もってく?」、「よかったら、大根もってく?」と声をかけられて、 私が「はい!」ともらって、お礼を言う程度だったけれど。 お父さんの作る野菜は有機栽培・無農薬、それに採れたてだから、とてもおいしいです。 だから、「野菜もってく?」と言われて断ったことはありません。 いや、一度だけ断ったことがありました。 いただいた白菜から青虫がたくさん出てきたので、その次に「白菜もってく?」と言われた時に、 「青虫こわいから、いらないです...」と。 そうしたら、お父さんは「なぁに言ってんだよ。青虫がいるところは取ってやるからよ」と 青虫が穴だらけにした外の葉っぱを取ってくれて、中のきれいな白菜だけをくださいました。 トマト、胡瓜、茄子、キャベツ、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、苦瓜、エンドウ、大根、ほうれん草、 葱、蕗、じゃがいも、葉生姜。 春になると山からたくさんタケノコを掘ってこられ、一昨年の秋には自然薯も 掘り出して分けてくださいました。 掘り出したばかりのタケノコを生でスライスして食べたのはお父さんのタケノコが初めてだったし、 自然薯は芋を掘り起こす前にムカゴをたくさん採らせてもらいました。 お正月三が日が終わり、一日雨が降って散歩に行かなかった日の翌朝、いつものように散歩に出ました。 keishiくんと遊んでいたら、お父さんの会社のおじさんから、「昨日、ここのお父さんが亡くなったんだよ」と声をかけられました。 「えー! 一昨日の朝も畑仕事してたじゃないですか!」 びっくりして身体の力が抜けそうでした。 最近、keishiくんが歳を取ってきたのが気になっていましたが、まさかお父さんが先だとは思いませんでした。 朝、私がkeishiくんと遊んでいる頃にはいつも外にいたお父さんは、息子さんに会社をまかせて、 農業三昧していたのだそうです。 73歳だったそうです。 その日のうちに、お線香をあげさせてもらえました。 すぐに起きてきそうなお顔でした。 keishiくんの写真はたくさんあるけど、お父さんの写真は1枚も撮りませんでした。 でも、毎朝、姿を見ていたので、お顔ははっきり覚えています。 もっと、朝の散歩で会いたかったです。 (2007年1月17日) |
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年末に次の苗を植える用意を整えてあった、お父さんの畑 (ごく一部)![]() ![]() ![]() |