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いかなご
久しぶりに、本当に久しぶりに伏見を訪ねました。伏見街道を歩くつもりでした。 JRの伏見駅を下りたら目の前が伏見稲荷大社だったので、まず、お参りしておこうと境内に向かいました。 少し寄って、あとはずっと伏見街道を南下するつもりでいたら、大社の奥がなかなか深い。 けっきょく稲荷山ハイキングに行ったようなもので、最初の予定だった伏見街道は東福寺まで北上しただけに終わりました。

祖父は伏見の出身で、癌で亡くなりました。 当時は痛みに対する治療が今ほど進んでいなくて、「屈強の若者が槌で力いっぱい向こう脛を叩いた痛み」と医者から聞きました。 それでも、一度も「痛い」と言ったことがありませんでした。 痛みが続くと、しかめっ面をして我慢していました。

いかなごのくぎ煮は祖父の好物でした。
  「ごはん」、「いかなご」、「ごはん」、「いかなご」...
くぎ煮の新物が出るころには病状はかなり悪化して起きられなくなりましたが、よくこんな風に祖母に頼んで食べさせてもらっていました。 やがて梅雨入りして、誕生日に、祖父は天国に帰りました。

くぎ煮の新物が出ると、祖父を思い出します。 ベレー帽のよく似合う祖父でした。 昨夜はくぎ煮で、いっぱいやりながら、祖父と祖母を懐かしく思い出しました。 (2005年4月1日記)



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