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below zero
アメリカ中西部に1年ほど住んでいたことがあります。シカゴから車で2時間ほどの小さな街でした。 中西部は大陸性気候の四季のはっきりしたところで、夏は暑く、秋は大きな大きな木が次々と紅葉し、冬は凍てつく寒さ、春には待ちわびるように草も大木も一斉に花を咲かせます。

冬の寒さは格別でした。滞在した年は「今年の寒さはましな方だ」と言われましたが、それでも1月には華氏の零度以下、below zeroが続きました。 予報では最高気温、最低気温とともにwind-chill factor(体感温度)を発表し、これら3つが華氏の零度を超えないこともしばしばでした。 それが、雪も降らず、毎日毎日雲ひとつない紺碧の青空が続くのに、below zeroなのです。 こんなに寒くてもジョギングしているアメリカ人が何人もいて、寒さを感じる細胞が少ないのかと思っていました。

1月末に水ヶ塚に行った時に気温は−16℃まで下がりました。 息も凍り、手足はじんじん冷えて、今までに体験した一番の寒さかと思ったら、華氏に換算するとたったの3度でした。 当時、アメリカでは華氏の−5度くらいまで経験しているので、この方が8℃も低く、ずっと寒かったことになります。

一昨日、春一番で暖かい南風が吹き荒れた首都圏は昨夜から北風が強くなりました。 気温はすでに5℃を超えましたが、wind-chill factorはかなり低そうです。 住んでいた街の知り合いからつい先日、「今の気温は1度(−17℃)、今夜の予想は−11度(−24℃)」とたよりが届きました。 「おー、寒!」 それでも、どこへ行くにも車で移動し、どこでも暖房の行き届いたアメリカより、日本の冬の方が寒いと思います。
(2004年2月16日記)


住んでいた街 below zero の青空

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